酒を知る新たなSAKE文化を創造する「クラフトサケ」の魅力に迫る

近年だんだんと知名度を上げている「クラフトサケ」
2022年に設立されたクラフトサケブリュワリー協会が提唱しはじめた新たなジャンルの醸造酒であり、今、日本酒業界に新たなる風を吹き込んでいる存在です。

この記事では、まだまだ知らない方も多いこの「クラフトサケ」とは何か?を深掘りしていこうと思います!

※本記事では、クラフトサケブリュワリー協会による定義に基づいて「クラフトサケ」を紹介しています。「クラフトサケ」は株式会社モトックスの登録商標です。

そもそもクラフトサケとは?

クラフトサケ

クラフトサケブリュワリー協会の定義する「クラフトサケ」とは、日本酒の伝統的な製造技術をベースにしながらも、従来の日本酒では酒税法の関係で採用できなかったプロセスを取り入れた、日本酒から派生した新ジャンルのお酒のこと。

日本酒とは、米・水・米麹を使用し、上槽(搾り)をして製造したものという定義があります。
一方、クラフトサケはハーブや果物・スパイスなど、米や水以外の副原料を使用や、搾りの工程を経ずに瓶詰め、米を用いず米麹のみでの醸造といった、日本酒の枠を超えた製法で醸せるのです。

そのためクラフトサケは日本酒とは異なり、酒税法上「その他の醸造酒」や「雑酒」として分類されています。

より自由な発想で造り、より自由な味わいを楽しめる。
これこそがクラフトサケの最大の特徴です。

クラフトサケのはじまり

クラフトサケ

クラフトサケの誕生には、日本酒製造に関する厳格な決まりがあることが深く関係しています。

現在、新規の日本酒製造免許を取得することは原則として非常に困難となっています。
そのため、新しく酒造りに参入することの難易度は大変高く、またできたとしても米ベースの醸造酒の場合、「その他の醸造酒」の品目にあたるものしか製造できませんでした。

しかし、それでも「新しい酒を造りたい」という情熱を持った人たちがいました。
「その他の醸造酒」であるからこそできる、日本酒の枠を超えた酒造りの可能性を模索し、さまざまな原料と組み合わせた、魅力に溢れる新しい酒を生み出しました。

ですが「その他の醸造酒」という分類名では、どうしてもその魅力が伝えきれません。そのため手作りであることや日本酒同様、こだわりを詰め込んだ酒であることを伝えるべく、「クラフトサケ」という名称を付けました。

そうして生まれた「クラフトサケ」というまったく新しいカテゴリーの酒。
全国で「クラフトサケ」を製造している6事業者が団結し、2022年6月27日にクラフトサケブリュワリー協会を設立。
クラフトサケの知名度を向上させ、カテゴリーとして確立させるべくさまざまな活動に取り組んでいます。

2026年現在、クラフトサケを醸造する蔵元は全国に数多く存在し、それぞれが個性豊かな商品を展開しています。

個性溢れるクラフトサケの製法

魅力と個性に溢れるまったく新しい味わいの酒・クラフトサケ。

クラフトサケにはさまざまな製法がありますが、
その中でも現在メインとなっている3種類の製法をご紹介します。

クラフトサケ

まず1つ目、最も代表的な製法として挙げられるのは、米・水・米麹以外の原料を用いたもの。
これは副原料と呼ばれ、醸造の過程、つまり醪の段階で投入されています。
副原料にはフルーツやハーブ、スパイスなどさまざま。
出来上がった酒は副原料由来の豊かな風味を楽しめる仕上がりとなっています。
副原料に用いるものに関しては特に制限がなく、それぞれの蔵元が創意工夫を凝らし、多彩なクラフトサケを生み出しています。

2つ目は100%麹で仕込む酒。
日本酒は最大でも米麹を99%までしか使用できないという条件がありますが、クラフトサケはその縛りが無いため麹100%で仕込むことも可能となっています。
この製法で醸されたクラフトサケは、麹だけで仕込むからこその濃醇なコクが強い味わいが魅力です。

クラフトサケ

3つ目は古くから親しまれてきた身近な存在、どぶろく。
実はどぶろくは上槽(搾り)の工程を経ず、発酵した醪をそのまま瓶詰めするため、酒税法上はクラフトサケ同様の「その他の醸造酒」に分類されるのです。
そのため、多くのクラフトサケ蔵がどぶろくの製造にも取り組んでいます。

これら3つの製法を主として、これらを組み合わせてみたり、酒母に趣向を凝らしてみたり…
また、日本酒でもたびたび用いられる木桶造りや熟成といった製法も取り入れられることもあります。
用いる酵母との組み合わせなどの要素も含め、その組み合わせは無限大。
一口にクラフトサケと言っても、その味わいにひとつとして同じものは存在しません。

その可能性の広さは、クラフトサケの大きな魅力とも言えるでしょう。

知って深まるクラフトサケの魅力

いかがでしたか?
その成り立ちや製法など、知れば知るほど魅了される、広く深いクラフトサケの世界。

なんだか難しそう…、副原料って混ぜ物じゃないの…?と思う方もいるかもしれません。
ですが、難しく考える前にひとまず飲んでみてください!そうすればきっと、新たなおいしさに出会えるはず。

日本酒としての造りからこだわり抜いて醸す、蔵人たちの情熱が詰め込まれた「クラフトサケ」。

日本酒の世界に新たなる文化として芽生えたクラフトサケを、ぜひお楽しみください。