酒を知る誕生、幻の銘酒『龍神丸』最高峰 ~伝統を詰め込んだ極みの酒~

龍神丸 純米大吟醸 袋吊り ブログ

和歌山県・有田郡にて小さな蔵を構える高垣酒造。

昭和元年に建造されたこの蔵は、敷地内にある建物のほぼすべてが国指定の登録有形文化財にも指定されています。また、古くから弘法大師ゆかりの霊場として信仰を集める高野山の麓という、大変歴史の深い土地に位置しています。

そんな歴史ある蔵にて醸され、全国的な人気の高さから常に入手困難となっている幻の銘酒『龍神丸』。

今回、その龍神丸から極みの一本が登場致します。それがこちらの『龍神丸 純米大吟醸 袋吊り』です。

龍神丸

これまで、龍神丸のラインナップには存在しなかった純米大吟醸規格のものがついに登場。
厳選された山田錦を35%まで精米。高垣酒造の持つ高い技術力やきめ細やかな発酵管理の元、じっくりと発酵。そうして出来た醪を、丁寧に、手間をかけて袋吊りにて搾りました。そうして最高のタイミングまで瓶貯蔵、その後出荷されます。

龍神丸最高峰となるこの一本の持つ味わいは、まさしく唯一無二。華やかで凝縮された果実感の溢れる優美な香りに、滑らかな口当たりから力強い膨らみを魅せる旨味、その後に来る美しい適度な収束。味わい全体のバランスも大変高く、この上ない逸品に仕上がっています。

ボトル

味わいのレベルの高さはもちろんのこと、最高峰に相応しく外観にも多数のこだわりをちりばめました。

ラベルは、金箔押しされている和紙が迫力を放つデザイン。アンティークボトルに詰められたこのお酒は、ラインナップ最高峰という何とも言えない雰囲気を感じさせてくれます。

箱とボトル

また、ボトルだけではなく、外装箱にも『地酒』らしさとこだわりの詰まったデザインが施されています。モダンで和を感じる誂えの桐箱には、銘柄名がシンプルながらも迫力のある文字で書かれた、『保田紙』という、蔵と同じ有田郡の伝統工芸品である手漉き和紙が貼られています。
そんな地元の文化や歴史をしっかりと取り入れながら醸された極みの一本。特別な時を彩るお酒として最適です。

紀州・有田の伝統工芸『保田紙』

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今回デザインの中にも組み込まれている保田紙。先程、有田郡の伝統工芸、と少しだけ触れましたが、もう少し掘り下げてご紹介します。

高垣酒造から少し離れたところに位置する『体験交流工房 わらし』。現在、保田紙はこちらの工房でのみ職人の手で一枚一枚丁寧に造られています。

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山野や美しい水に恵まれ、今なお自然豊かな有田。この山々には、あちこちに紙の原料になるコウゾという植物が自生していました。これに目を付けた紀州徳川藩初代藩主・徳川頼宣公が今から約400年程前、お国入りと同時に藩内に製紙業を広めようと奨励、そこから保田紙の文化は始まったとされています。

白く丈夫な保田紙は、和傘やうちわなどに多く使われるなど、広い用途に重宝され、1950年ごろには、400もの紙漉き工房が軒を連ねた程の盛り上がりを見せていました。
ですが、洋傘の普及や、地域一帯を襲った昭和28年の大水害などの影響で、昭和40年代には長い歴史も一度途絶えてしまいました。

その後、伝統ある製紙業を途絶えさせてはならない、と国の奨励もあり、昭和54年に現在の『体験交流工房 わらし』の前身となる高齢者生産活動センターの開業と共に復興、そうして現在まで続いています。

Warashi-02

全ての行程を人の手で行う為、ひとつひとつ絶妙に異なる風合いが趣を感じさせる保田紙。
一般的に『和紙』といって想像がつく真っ白なものや、漂白をしていない自然な紙本来の色合いのもの、原料のコウゾ由来の繊維質がしっかりと残っているもの、また、製造工程の途中で色付いたもみじの葉を入れて、季節感溢れる見た目に仕上げているものなど、一口に『保田紙』と言ってもその種類は多岐に渡ります。

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保田紙職人である鈴木さんがひとつひとつ丁寧に案内してくださったのですが、工房のあちこちから感じられる歴史に、この『保田紙』の伝統の長さを感じます。そんな伝統が紡いだ貴重な『保田紙』を用いた龍神丸。外観の重要な要素として、しっかりと存在感を放っています。

箱の保田紙

醸造元・高垣酒造について

高垣酒造蔵全景的な

前述の『体験交流工房 わらし』から少し離れたところ。高野山を水源とする早月谷川がすぐ横を流れ、豊かな緑に囲まれた山間の集落にひっそりと佇む高垣酒造。

文頭でもお伝えしたように、蔵の敷地内にある建物のほぼすべてが国指定の登録有形文化財にも指定されている大変歴史のある蔵で、その創業は1840年にもなり、180年余の歴史を持ちます。
その歴史の深さは蔵内の梁や柱、様々な道具からも見て取れ、この場所で醸される酒たちの持つ「深さ」のようなものに繋がっている気がします。

道具系

龍神丸はその全量を小さなタンクで製造していて、年間生産量もごくわずか。そのため入手困難を極めますが、高垣酒造の歴史と技術力の詰まった味わい深さがあります。

聖地・高野山の美しい湧水『空海水』由来の柔らかな口当たり。薫り高く、整った味わいと力強く感じられる旨味、美しい余韻。蔵の持つ歴史、この土地の風土、そして蔵人の心意気が詰まった酒は、一度味わうと引き込まれるような魅力を持っています。

龍神丸の並び写真

昔ながら寒造りや路地放冷、独自の発酵技術、蔵人たちの長い経験が生み出す職人技。全ての行程を完全に手作業で行う、昔ながらの酒造りを守り続けるがゆえに、この蔵の生み出す酒には多くのファンの方がいらっしゃるのかもしれません。

そんな蔵が生み出す、歴史や伝統、そして技。それら全てが詰まった最高峰、『龍神丸 純米大吟醸 袋吊り』を、高野山に根付く長い歴史に思いを馳せながら、どうぞお楽しみください。

龍神丸純大 写真