酒と食事【ドライトマトの冷やし鉢】~トマトで作る酒に合う料理~

ドライトマトの魅力

ドライトマトは手軽に旨味と彩りを与えてくれる食材です。乾燥させることで保存性が高まるだけでなく、豊富な栄養素が凝縮されたパワーフードとして世界中で食卓を支えています。水分やビタミンが多く旨味が少ないタイプは向きませんが、色の濃いミニトマトや旨味のあるタイプのトマトを使えばご家庭でも天日干しでドライトマトを作ることができます。水分が抜けるまで数日かかりますので夜間は袋にいれて冷蔵庫で保管します。何日か干した後、仕上げにオーブンで乾かせば出来上がり。完全に乾かなくても、オリーブ漬けにしておけば2週間ほど楽しめます。ジップロックに入れて冷凍しても永らく使えます。

今回の料理はドライトマトの旨味がたっぷりでクラゲの食感がアクセントになる冷やし鉢。たっぷりの夏野菜の酸が旨味でまろやかになっており、冷たくしてさっぱりと味わいたい料理です。是非軽快でキレのある日本酒と共に楽しんでは如何でしょうか。

ドライトマトの冷やし鉢

<材料>

  • ドライトマト40g
  • 戻し用お湯 400g
  • 戻し用酢15g
  • 胡瓜 1本
  • パプリカ(黄) 1本
  • 刺身くらげ1p

【合わせ調味料】

  • 出汁(市販の顆粒で) 200cc
  • ドライトマト戻し汁200cc
  • 薄口醤油50cc
  • みりん50cc
  • 15cc

1.

最初に熱湯に酢を入れ、ドライトマトを戻します。15分くらい。酢を入れる理由として酢は殺菌作用の他に余計な味を外に出しすぎないようにする効果があります。ドライトマトが戻ったら一口大にカットしましょう。

ドライトマト

2.

次に胡瓜、茄子、パプリカ、クラゲを一口大にカットし、一度さっと湯通します。

ドライトマト
ドライトマト

3.

湯通ししたカット野菜は一度氷水に落とします。

ドライトマト

4.

次に合わせ調味料を火に掛け、沸きましたらその中に材料を入れ冷蔵庫で冷まします(半日)。
冷蔵庫で冷めましたら、盛り付けで完成です。

ドライトマト
ドライトマト

そして今回のレシピに合わせて、夏の夜を楽しむのにピッタリなお酒を幾つか用意してみましたので、併せてご紹介します。

九頭竜 氷やし酒

九頭龍

夏酒はやはり、夏の暑さを打ち消し、爽やかに楽しめる設計のお酒が多い中、こちらの「九頭竜 氷やし酒」は原酒らしい、しっかりと濃厚な味わいが特徴です。それもこのお酒の『暑い夏には、氷を浮かべてオンザロックで「氷やし酒」を。』というコンセプトゆえの設計ではないでしょうか。

普段のグラスよりも、少し大きめのグラスに、ロックアイスを1,2個入れてお酒を注いでいきます。

トマトの濃厚な旨味、爽やかな酸味が濃厚な味わいによく合い、氷が解けていく前に飲み干してしまうのではないか、と思うほど進みます。ですが少し抑えめに。そして段々と氷が溶けていくにつれ、原酒ならではともいえる芯のある濃厚な味わい、甘さがゆるりとほどけていき、夏にぴったりの爽やかでキレのある味わいへと姿を変えて行きます。

ですが元々の味わいの濃さもあって、薄いだけのお酒に、なんてことは一切ありません。
氷の溶け具合によって刻一刻と変わりゆく味わいは、まさに夏の夜をのんびりと楽しむにピッタリな一本ではないでしょうか。

愛宕の松 純米吟醸 ひと夏の恋

ひと夏の恋

こちらは名前からして、なんとも夏らしさを感じさせる一本です。
使ってる酒米も食用米のひとめぼれと、細かいところにまでこだわりを感じる徹底っぷり。けれども「食用米とは思えないほど綺麗な味わいを目指しました。」という蔵元様の言葉通り、食用米とは決して思えない透き通るように爽快な旨さがあります。

よく冷やしてグラスに注ぐと、バナナやメロンのようなふんわりと香るフルーティーな香りを感じます。
香りに誘われ口に含むと、飲み口は香りに恥じない柔らかなフルーティーさを感じさせ、飲み込む頃にはさっぱりと綺麗にキレる、まるで夏の通り雨の後の青空のような雰囲気のお酒です。

正しく名前をしっかりと表す、甘酸っぱさが特徴のこの一本。
夏の日差しをたっぷりと浴び、旨味のしっかりとした夏野菜にぴったりです。

二兎 純米 サテン

サテン

深い青のボトルが目にも鮮やかで、見ているだけで夏らしさを感じるお酒。
ラベルのデザインも相まって、まるで洋酒のような雰囲気を感じます。そんな雰囲気に合わせて、ワイングラスで楽しむのもよいのではないでしょうか。

ボトルを開けると主張しすぎない香りを感じ、食中酒にもぴったりな気配に期待が高まります。口にすればスッキリと軽い口当たりを感じ、含んでいるうちにじんわりと心地よい酸味、コクを感じてきます。

飲み込めばまさに夏酒、といったようなすっきりとしたキレに、思わずうっとりとしてしまいます。

このお酒は、蔵元様が『「空気との触れ合い」「時間の経過」「温度の変化」によって様々な表情を見せる二兎は、1杯の華やかさより、1本を飲んで輝きをはなつお酒でありたいと考えています。』とのメッセージを残しているように、のんびりと変化を楽しみながら更けていく夏の夜を楽しむ、そんなお酒ではないでしょうか。

一粒の麦 furingo ふうりんご

ふうりんご

透明なボトルに可愛らしいタグが付いたこのお酒、なんと麦焼酎だというのだから驚きです。焼酎にも夏限定、という物があるようで、この料理と合わせない手はないのではないかと思い、試してみることに。

「そよ風に揺れる風鈴の音色」をイメージして作られたという、なんとも夏らしい一本です。

栓を開ければ青りんごのような爽やかで芳しい香りが鼻をくすぐります。一口含めば、香りに負けることないフルーティーな爽やかさを感じさせ、その奥にしっかりと麦らしい旨味を感じる事が出来ます。

これはソーダ割でもピッタリなのでは︖と思い、早速試してみれば間違いありませんでした。このお酒の特徴である爽やかな香りとフルーティーさが存分に生き、更に炭酸のおかげでよりさっぱり夏らしく頂けます。もちろんこの料理にもピッタリで、まるで蒸し暑い夏の夜に吹き抜ける爽やかな涼風を感じさせます。

今回ご紹介させて頂いたレシピとお酒で、ぜひ厳しい暑さの夏を爽やかに過ごしては如何でしょうか。

トマトで作る酒に合う料理