酒と食事【丸ごとトマト柚子ゼリー漬け】~トマトで作る酒に合う料理~

ゼリーが旨味をひきたてる

子供の頃、ゼリーにはプリンにも寒天にもない特別な魅力を感じました。目の前で涼しげに、宝石のように煌めく。冷たい食感とフルーツや蜜の味がストレートに楽しめる夢のようなお菓子でした。

ゼリーとは水分を含んだゲル状のもの全体を指します。ゲル自体ドイツ語でゼリーの意味で、英語ではジェル、イタリア語ではジェラート、フランス語ではジュレです。フランスでジュレと言うと魚や肉を煮込んで固めたテリーヌやゼリー寄せといった料理をイメージしますよね。動物性のコラーゲンや植物性のペクチンによって食材がゲル化され、煮凝りやアスピック、ジャムやコンフィチュール等になるのです。長時間煮込むので手間がかかるのですが、市販のゼラチンを使うとお手軽です。

丸ごとトマト柚子ゼリー漬け

<材料>

  • トマト(中)2個
  • 板ゼラチン50g
  • 柚子(刻み)少々

【合わせ調味料】

  • 出汁600cc
  • 薄口醤油80cc
  • 濃口醤油10cc
  • みりん80cc

1.

トマトのへたを取り除きます。

丸ごとトマト柚子ゼリー漬け

2.

次に湯剥きをします。へたの反対側に軽く十字の切り込みを入れておくと、皮が剥きやすいです。

丸ごとトマト柚子ゼリー漬け

3.

さっと湯通しし、氷水に落とします。

丸ごとトマト柚子ゼリー漬け

皮をむきます。

丸ごとトマト柚子ゼリー漬け

4.

ここでゼリーが登場します。
まず、ゼラチンを水で戻しておきます。

丸ごとトマト柚子ゼリー漬け

数十分で戻ります。

丸ごとトマト柚子ゼリー漬け

5.

合わせ調味料を鍋に合わせ火にかけます。

丸ごとトマト柚子ゼリー漬け

6.

戻したゼラチンを沸いた鍋に入れ、木べらで混ぜます。

丸ごとトマト柚子ゼリー漬け

7.

ゼラチンが溶けましたら、余熱を取るため氷水に鍋ごと入れ、冷まします。

丸ごとトマト柚子ゼリー漬け

8.

合わせ調味料をジップロックに入れ、先程の湯剥きしたトマトを漬け込みます。この時に柚子の刻みを一緒に入れます。

丸ごとトマト柚子ゼリー漬け

冷蔵庫で半日寝かせるくらいでOKです。

丸ごとトマト柚子ゼリー漬け

9.

盛り付けをします。ゼラチンが多少固まっていますので、先にトマトを取り出してジップロックの中で固まったゼリーを揉みながら潰して下さい。
最後、盛り付けの際にも刻み柚子をあしらえば香りが引き立ちます。彩りで穂じそ(紫蘇の花)とパプリカ(黄)を飾ります。

丸ごとトマト柚子ゼリー漬け

ゼリーはソースや出汁の旨味を固めるので、見ためが涼しげで、冷たい口当たりと凝縮した旨味が楽しめる、夏の疲れた体にしみわたる一品となります。今回の料理はまるごとトマトを出汁のゼリーに漬け込みました。ゼリーによって醸し出される清涼感、旨味、食感を、酸のある純米酒や純米吟醸で爽やかにお楽しみ下さい。

トマトで作る酒に合う料理