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水端 1568 500ml
水端 1568 500ml
水端 1568 500ml

古典を紐解き現世で醸す
日本酒のはじまりを探る挑戦的な一本

水端 1568 500ml

商品番号:11401

¥7,700(税込)


購入制限:お一人様【2本】まで

配送方法:常温便可能


使用米奈良県産「秋津穂」
磨き非公開
特定名称酒など火入れ酒
度数17度

包装紙

熨斗orメッセージシール

(熨斗を選択された方のみ)表書き

水端 1568 500ml
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古典を紐解き現世で醸す
日本酒のはじまりを探る挑戦的な一本

風の森を醸し日本の数ある酒蔵の中でもトップを走りながらも、前衛的な酒造りも続ける油長酒造。

この新たなる試みである「水端」は、日本清酒発祥の地とも言われる奈良に残る古典的な酒造りの歴史や技術を当時の文献から紐解き、現代のセンスによって再現するという、前衛的でありながらも忘れ去られた技術を復活させ、奈良の地に残る歴史を重んじるといったまさに温故知新な挑戦となっています。

1568年に編纂された「多門院日記」。その中に記載されている奈良県・興福寺多門院での寺院醸造の技法を忠実に再現して生まれたのがこの「水端 1568」。

この多門院日記には醪を絞って清酒としたり、火入れの技術についての記載や、本能寺の変の直前に奈良酒が織田信長公に献上されていたという逸話の記載もあります。そんな時代の醸造技術を参考にし、大甕での仕込みや現代の酒造りにも通じる三段仕込みといった技法を用いて、冬の寒い期間に酵母の働きを上手くコントロールして醸された一本です。

この手法は現代の酒造りにも通じるところが多く、まさに現代的な酒造りの原点を探る「水端」に相応しい技法と言えます。

また、水端はこちらの他にも、「1355」と呼ばれる瑠璃色のボトルのものが存在します。1355は、こちらの冬季醸造技術をベースとした1568とは異なり、現代では一切見ることがなくなった夏季醸造の技術を現代に再現して醸造されています。

暑い時期と寒い時期、その季節に則した醸造技術によって、織り成す味の系統が全く異なりますので飲み比べを楽しむのもオススメです。

非常に手間のかかる製法。また一度の仕込みで醸される限界量の少なさ故に、出荷量もごくわずかとなっています。 油長酒造の新たなる挑戦を是非一度ご体感ください。

水端 1568の味わい表

鍵やスタッフによるテイスティングレポート

水面に揺らぐ波紋を模したデザインが成されたシックな黒い箱に入り、小窓からはボトルの鮮やかな色合いが覗きます。陶器製のボトルは、花浅葱(はなあさぎ)と呼ばれる色がなんとも鮮やか。美濃焼で作られた特注のもので、この「水端」の大きな特徴とも言える甕で仕込むお酒の魅力をより伝える為でもあり、様々な場面で美しく映える色や形を意識しているとのこと。今までにないボトルデザインが非常に目を引きます。

そんな容器から注がれる液体は、ほんのり青みがかったような薄黄色を帯びています。冬季醸造ならではの低温発酵の影響で、ボトルの色合いのごとく爽やかな青林檎のような香りをしっかりと感じる。その香りを柱として、酒母として使用したそやし水由来のヨーグルトの香り、水端の為の専用蔵・享保蔵由来の木のニュアンスが寄り添っている軽快ながらも深い歴史のような複雑さを感じさせてくれます。夏季醸造の技術を用いた「水端 1355」と比べ、甘みや酸味は低くなっているが、よりはっきりと複雑に感じる渋さや苦味などの要素を楽しむことが出来ます。この味わいは現代的な醸造をする今の日本酒の多くからは感じられない厚みがあり、「水端 1355」と現代の低温発酵によるお酒の中間のような雰囲気を持っています。

この複雑な味わいと苦味、渋みといった要素が食中酒としても相性よく、濃厚な味わいの料理とのペアリングも楽しめそうです。また、熟成を経ることで更なる味わいの深まりを纏うと考えられる為、自宅での熟成を楽しむのも良いかもしれません。

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みずはな

【蔵元紹介】油長ゆちょう酒造 奈良県

油長酒造の酒蔵

奈良県の南部、大阪府と奈良県との県境に位置する金剛葛城山系の麓の奈良県御所市(ごせし)にある油長酒造は、享保四年(1719年)創業。元は製油業を営んでおり、それが社名の由来となっています。近くには、旧高野街道『風の森峠』があり、古事記、日本書記にも登場する風の神を祭る風の森神社があります。「風の森」という酒名はここから取られています。

又、ここ葛城地方は、日本の水稲栽培の発祥の地ともいわれており、風の神は五穀みのりを風水害から守る農業神としてまつられています。『風の森』ブランドは、この『風の森峠』をとり囲むように広がる水田で栽培される「秋津穂」を使い、当時としては珍しかった、しぼってそのままの酒(無濾過無加水生酒)を地元で販売したことから始まりました。

無垢ゆえに上質。五感で愉しむ新世代の日本酒。

【風の森とは】
風の森は油長酒造で造られる清酒です。ラインナップのほぼ全てが無濾過・無加水・生酒となっており、生ならではのリッチで繊細な質感、立体感がありトロリとした味わいが風の森の特徴。無濾過・無加水・生酒にこだわる理由は至ってシンプル。それが「美味しいから」。使用する酵母は自社培養の"7号酵母"のみ。香りは控えめながら、ときに果実のような香りを放ちます。!

風の森Positioning Map

【生産者の「顔」が見える米】
日本酒の味わいを決める大きな要因の一つが「米」です。使用する米の種類一つを取っても無数の数があり、同じ品種であっても生産者や生産地域によってその表情は大きく変わります。風の森では数種類の品種が主に用いられます。その中でも特に大事にしている米、それは「秋津穂(あきつほ)」と「露葉風(つゆはかぜ)」です。秋津穂は古くから奈良県気候風土に合うお米のため広く栽培されていた飯米で、酒造適性も高いのがその特徴です。露葉風は奈良県唯一の酒造好適米です。

油長酒造で使用されている秋津穂は全量が契約栽培米。"生産者の顔が見える"お米を使用しています。現在油長酒造が契約している秋津穂栽培の農家は奈良県全域で30件。田圃の殆どは中山間地にあり、近くに民家が少ない地域では、新しい可能性を探る為に無農薬栽培など、色々な事にチャレンジしています。地元奈良県御所市の魅力を伝えていきたいという油長酒造の想いが伝わってきます。

風の森契約田園

【風の森を造る水】
風の森で使われている仕込み水は金剛葛城山系深層地下約100Mから汲み上げた地下水を使用しています。この水は鉄分・マンガンをほとんど含有していない、日本酒造りには最適な水です。また、硬度が非常に高く硬度250mg/L前後の超硬水。風の森らしい輪郭のくっきりとした、立体的な味わいを造る重要な水となっています。

風の森を造る水

清酒「風の森」を語る二つのキーワード
「低精米」と「生酒」

【低精米酒】
清酒「風の森」を語る上で切り離すことの出来ないキーワードの一つが「低精米」酒。大地に宿るパワーがより強く感じられ、またその土地ならではの味わいが味わえる低精米のお酒は風の森が特に力を入れているお酒の一つです。

現在では、露葉風・山田錦・雄町・愛山が精米歩合80%の低精米酒としてラインナップされています。しかし、磨きを少なくすることによって大地のエネルギーを酒造りに活かせる反面、味が多くなり、それらは"雑味"にもなりえます。これは磨かないことにより米に残っているミネラルが多くなると、それを酵母菌が取り込んで、より精力的な発酵をするためです。「低精米だから味わえる、土地の味を感じてもらいたい、その上で"雑味"ではなく、苦みや渋味すらも一体化した"複雑味"として立体感のある味わいを表現したい」。それを実現するために油長酒造では様々なことに取り組んでいます。

〇旨さの秘訣:その1 「強力な冷却タンク」
発酵は麹菌が糖分をエサにすることによって進みます。このときに最も気をつけるべき点が発酵の温度。高すぎると発酵が進みすぎ、美味しいお酒ができません。油長酒造では最大でマイナス10℃まで冷やすことが出来る強力なタンクを使用しています。この機能を適切に使うことによって、一般的な日本酒の発酵温度よりかなり低い温度も可能となり、急激に上昇するタンク内の醪(もろみ)の温度を強力なパワーでスピーディーに冷やすことが出来ます。そうして、常に発酵における最適な温度を保つことで、低精米でも味わいの綺麗な、品質の安定したお酒が出来上がります。

冷却タンク

〇旨さの秘訣:その2 「ウルトラファインバブル」
そしてもう一つが油長酒造独自といっても過言ではない「ウルトラファインバブル」水の使用。それをお話しする前に「ウルトラファインバブル」の簡単なご説明を。ウルトラファインバブル水とはその名が示す通り人間の目では認識することが出来ない極小の気泡を含んだ水のことを言います。半導体の洗浄などに用いられるこの水に含まれる気泡の数はなんと300,000,000個/1ml以上。想像もつかないほど極小の気泡を含んだこの水は洗米時に用いられます。それによって、米に含まれる過剰なミネラル分やタンパク質を取り除き、80%という低精米でも美しく、複雑味を持った立体感のあるお酒が出来上がります。

現在油長酒造では5℃で50tのウルトラファインバブル水を2日間で製造する能力を持っています。そしてそれを保管するタンクは5℃まで冷却可能な50,000Lの冷却タンク。他蔵から見れば贅沢すぎるタンクの使用方法ですが、こうしたコダワリの積み重ねこそが妥協を許さない油長酒造の酒造りです。

ウルトラファインバブル

【生酒】
風の森ではその多くが火入滅菌をしていない無濾過・無加水の生酒となります。そのことについて山本社長は、「生酒でしか出せない質感や感覚、また、時間の経過によって繊細に変わっていく味の変化を楽しんでもらいたい」との思いを持っておられます。風の森の生酒は"耐久性"に優れ、蔵で搾られたばかりのお酒の味わいに近い状態で出荷されます。

〇耐久性があり、新鮮な生酒とは
「耐久性のある、新鮮な生酒」を出荷する上で最大の敵が「酸化」です。日本酒は空気中の酸素と結合することで酸化がはじまり、味わいは劣化していきます。油長酒造ではこの酸化を防ぐ為、搾りから瓶詰めまでの工程に並々ならぬ力を注いでいます。

蔵はタンクから搾り機までが直線で繋がる縦形の構造。これによって搾り機までの輸送が最短距離で行われます。瓶詰め時にはお酒の充填前に窒素ガスを瓶内に注入、瓶内に残存する酸素をなくし、お酒が充填されます。さらにこのお酒の充填ノズルは瓶底からお酒の注入に合わせて可動。高額な機械となるため、瓶詰めにこれほどの手間をかける酒蔵は殆どありません。

こうして出来上がったお酒は新鮮な花開く前の「蕾」の状態。ここまでの手間をかける理由は、「蕾から満開、そして枯れの部分までお酒の風味を楽しんでもらうため」という蔵元の思いが伝わってきます。

機械

伝統の改変、「笊籬採り」と「氷結採り」

・笊籬(いかき)採り
笊籬採りとは酒造文書資料の室町時代から江戸時代にまで遡ることでヒントを得た油長酒造独自の技法です。具体的にはザルのような道具を用い、醪(もろみ)と清酒を分離します。油長酒造ではその文献を頼りに笊籬採りを現代風にアレンジ。棒状円形の網目の空いたスクリーンに、醪とお酒を分離するための布を巻き付け、直接タンク内にそのスクリーンを沈めて搾りを行います。

新酒鑑評会出品酒に多く用いられている無加圧の「袋吊り」では、お酒が垂れている間空気と触れ合う時間が長くなります。ほぼ無加圧かつ、空気と触れる時間が袋吊りに比べ大幅に短縮したこの搾りは最高峰の旨みを持っています。

・氷結(ひょうけつ)採り
氷結採りとは油長酒造が2016年に特許を取得した新技術。発酵タンク内で清酒を分離するという酒造業界で革新となる搾りです。強力な冷却タンクで醪を冷却、それによって清酒部分と醪部分を分離。これによって分離されたお酒は醪の風味そのままのお酒。空気との触れ合いは殆どなく、また搾り機による加圧も一切ない状態のお酒となるため、風味が損なわれることなく搾られる夢のような技術です。

蔵人

進化し続ける酒造り

米の個性を生かした「風の森」、お酒の可能性を広げる為に様々なアイデアで醸される「ALPHA風の森シリーズ」など、油長酒造が行う酒造りは日々進化しています。日本酒の可能性、そして奈良の素晴らしさを世界に発信する清酒「風の森」。油長酒造の想いが次の世代へと繋がり、そしてその思いが見本となる酒造りを目指して。

風の森峠

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