加茂錦(加茂錦酒造)新潟県
新潟県新潟市。米どころとしても知られる越後の地で、伝統的な酒造りをもとに、今の食卓に合うモダンな味わいの酒を醸す加茂錦酒造。
1893年に新潟県加茂市で創業。2008年には現在の体制へと移行し、さらなる品質を求めて醸造設備を現在の所在地である新潟市秋葉区に移転しました。その後、社長の息子である田中悠一氏が2015年に生み出した『荷札酒』が大ヒットし、世間で広く知られるきっかけとなりました。そのフレッシュで上品な味わいは飲む人を魅了しています。
若い世代の醸す新たな味『荷札酒』
多くのファンを持つ主力銘柄『荷札酒』。荷札のような形状のラベルが印象的。仕込みタンクや精米歩合、醸造年度や使用米などの情報が記載されており、手早くスペックを把握できる点も魅力の一つです。首都圏を中心にリリース後から人気を伸ばし、現在では全国区で高い人気を誇る銘柄として成長しました。
もともと地域の地酒蔵として親しまれてきた加茂錦酒造。芳醇な酒質を得意とし、淡麗辛口の多い新潟では珍しいその味わいは、地域の人々に愛されていました。
しかし、ビールや焼酎ブームの波に押されだんだんと日本酒の消費量が低迷。そんな時代の流れの中、加茂錦の名前を残したい!という当時の経営者の強い思いから、2008年に親族で会社再建の経験があった田中家に経営を譲渡。ここから、加茂錦の新たな物語が始まりました。
当時大学生だった『荷札酒』の生みの親である田中悠一氏は、手伝いとして酒造りに携わりながら、両親と蔵人と共に試行錯誤を重ねる中で酒造りの楽しさに目覚めます。本気で酒造りに向き合い、すべてを一から手がけて醸したものが『荷札酒』の原型となりました。
悠一氏が自ら売り込みに行った際、ラベル代わりに使用した「荷札」がそのままトレードマークとなり、その鮮烈でジューシーな味わいは、首都圏の酒屋を中心に日本酒好きに幅広く知られる銘酒となりました。
現在でも挑戦・進化を止めることなく、さらなる品質や可能性を突き詰める加茂錦酒造。チャレンジ精神に溢れる新世代の酒蔵が醸す、芳醇な酒をぜひお楽しみください。