- 1.いちごが昇華した至高のエレガンス
- 2.エレガントで貴族的なストレート
- 3.トゥワイスアップで香りを楽しむ
- 4.朱華リッキー
- 5.朱華・コアントローソーダ割
- 6.朱華・ホワイトレディ
- 7.朱華ジュレ
- 8.朱華フローズン
- 9.朱華・風の森マティーニ
いちごが昇華した至高のエレガンス
日本酒「風の森」で有名な油長酒造が設立した大和蒸溜所のクラフトジン。
定番商品の第二弾が「朱華」です。
朱華とは黄色がかった薄い赤色の事で、天武天皇や持統天皇の頃には親王の色とされ、平安時代には禁色にもなっていたそうです。
原材料はジュニパーベリー、大和橘、大和当帰、あすかルビーと、「橘花」にあすかルビーを加えたシンプルな構成です。
エレガントで貴族的なストレート
まずはストレートで。私はいちごが大好きなので期待感がすごく膨らんだ中での試飲です。
グラスに注ぐと薬草を思わせるような香ばしい香りが爽やかに立ってきます。ほんの少し遅れていちごの甘い香りがやさしく漂ってきました。
しばらく香りを楽しんでいるとミルクの香りが遠くに現れます。すごくエレガントな香りです。「貴族的」という言葉が浮かんできました。時間の経過とともにいちごの香りが深くなってきます。
ひとくち口に含んでみます。
やわらかい甘味の上に、なんとも上品で丸みを帯びたいちごのうまみの中核とでもいうべきエッセンスの味を感じます。かなり長い間余韻が口中に残ります。
トゥワイスアップで香りを楽しむ
このジンの持つ本来の味をもっと知りたくなったのでトゥワイスアップで飲むことにしました。
トゥワイスアップとはウイスキーと常温の水を一対一の割合で混ぜて飲む方法です。
この方法だとアルコール臭によって原料由来の香りが打ち消されることを防ぎ、またアルコールの刺激により舌の味覚の鈍化を防ぐことが出来ます。
常温で飲むのは、冷たくなると舌の甘味に対する感度が鈍るから。プロのブレンダーがテイスティングのときに用いるやり方です。
顔を近づけるとストレートのときよりもいちごの甘い香りがより強く感じられます。
かすかにヤクルトに似た香りも感じます。あまりの心地よさに20分ほど香りを楽しんでいました。ボタニカル成分がたくさん入っているので水には溶けきれない成分が白く見えています。
飲んでみます。
いちごの風味がふわーっと口中に広がりしばらく滞留した後ゆるやかに消えていきます。味わえる時間が長いです。
「橘花」同様すごく完成度の高いジンで、これだけでも十二分に楽しめました。アルコール度数が半分になった分すいすいと飲めてしまう(それでも21.5度はあります。)とても美味で、危険なドリンクになりました。
朱華リッキー
次はジンリッキーです。
果実を入れた分トゥワイスアップに比べいちごの香りと風味がアップしました。見た目にも綺麗な存在感のあるカクテルです。
希釈されているのにも関わらず風味はしっかりと感じられます。舌の先に軽やかに残る丸い甘味が最高!
単独でも美味しいし食中酒としても最適だと思います。
< 材料 >
KIKKA GIN 朱華 45ml
ソーダ(炭酸水) 適量
いちご
氷
< 作り方 >
1. 冷えたグラスに氷、朱華を入れ、ソーダでグラスを満たす。
2. カットしたいちごを入れる。
朱華・コアントローソーダ割
今年で店を引き継いで10年目になりますが、引き継いだ当初はオリジナルのカクテルを作りたくてレシピの開発に明け暮れていました。
いちごが大好きなのでいちごを使ったカクテルをたくさん作りました。そのときに知ったのがいちごとコアントローの相性が大変良いということでした。
それを思い出したので朱華リッキーにコアントローを加えてみました。
美味しい!
コアントローの甘味はまろやかなので朱華の上品な甘味を打ち消すことなく甘味に深みを加えてくれます。
またコアントローのオレンジの香りは朱華の原材料の大和橘の香りと相まって柑橘系の香りを際立たせてくれます。それが朱華のいちごの香りと混ざり素晴らしいフルーティーなカクテルになりました。
< 材料 >
KIKKA GIN 朱華 45ml
コアントロー15ml
ソーダ(炭酸水) 適量
氷
いちご お好みで
< 作り方 >
1. よく冷えたグラスに朱華、コアントローを入れよく混ぜる。
2. 氷を入れてソーダで満たす。好みでカットしたいちごを入れる。
朱華・ホワイトレディ
コアントローとの相性がとても良いと分かったのでジンベースのカクテルの中でもポピュラーなホワイトレディを作ってみました。
ホワイトレディの本来のレシピではジン・コアントロー・レモンジュースの割合は2:1:1なのですが、この割合で作ってみるとコアントローが強すぎました。試行錯誤した結果このレシピになりました。
レモンの酸味の中からふわりと浮かび上がってくるいちごの風味はミステリアスな美味しさでやみつきになりそうです。
< 材料 >
KIKKA GIN 朱華 40ml
コアントロー5〜7ml
レモンジュース15ml
< 作り方 >
1. 朱華、コアントロー、レモンジュースをシェークして冷えたカクテルグラスに注ぐ。
朱華ジュレ
もう一つコアントローを使ったカクテルを作ってみました。
こちらはとろっとしたポタージュ状の贅沢感あふれるカクテルになりました。見た目から想像するより味はさっぱりとしています。
いちごと朱華の旨味がまとわりつくような感触が楽しめます。
< 材料 >
KIKKA GIN 朱華 45ml
コアントロー20ml
いちご 5個(+飾り付け用に適量)
氷
< 作り方 >
1. 朱華、いちご、コアントローをミキサーにかけ氷を入れたカクテルグラスに注ぐ。
2. スライスしたいちごを盛る。
朱華フローズン
次に私の店で人気のフローズンスタイルで作ってみました。
氷が口の中で溶けていくと同時にいちごの風味が強くなった朱華のアロマがふわーっと鼻腔に立ち込めていきます。
デザートのような感覚で楽しめます。
< 材料 >
KIKKA GIN 朱華 45ml
クランベリージュース 60ml
氷5個
いちご 5個程度(+飾り付け用に適量)
カリブ(シュガーシロップ) お好みで
< 作り方 >
1. いちご、氷、朱華、クランベリージュースをミキサーにかける。
2. カクテルグラスに注ぎスライスしたいちごを盛る。
甘味が足りないと思われる方は少しカリブ(シュガーシロップ)を入れるとよいです。
朱華・風の森マティーニ
さて「橘花」の試飲でも作りましたが、このジンの製造元、大和蒸溜所の母体である油長酒造の「風の森」を使ってカクテルの王様マティーニを作ってみました。
風の森シリーズの中から今回はラベルの色がマッチするALPHA1で作ってみましたが、久々の大ヒットとなりました。
高級感のあるエレガントな甘味、しとっとしたのど越し、甘味が去った後に残るいちごの風味、時間の経過とともに味がドラマチックに変化していきます。
朱華と風の森の割合によっても味わいは変わります。
朱華:風の森=2:1で作ると、この二種類のお酒が完全に一体化したカクテルになりました。アルコールの刺激が心地よく口の中に広がったかと思うとやわらかいいちごの風味がジワーっと立ち上がってきます。
割合を朱華:風の森=1:2にしてみるとアペリティフ(食前酒)として最適なカクテルになりました。
たっぷりと感じられるいちごの香り、風の森のやわらかい甘味がふわっと口中に広がったかと思うとさっと消えていきます。何杯もいける魅力的なアペリティフです。
2:1~1:2の割合の中でそのときの気分によって好みの割合で飲むのがベストなスタイルだと思いました。
< 材料 >
KIKKA GIN 朱華
風の森 ALPHA 1
氷
いちご お好みで
< 作り方 >
1. ミキシンググラスに氷を入れ20回くらいステアしてグラスを冷やした後、溶けた水を切る。
2. 朱華・風の森を入れ50回くらいステアする。
3. カクテルグラスに注ぎ、好みでいちごを入れる。
「朱華」は「橘花」同様、完成度の高いジンでシンプルな飲み方でも充分楽しめるとともにカクテルの材料としても大きなポテンシャルを秘めた素晴らしいジンです。
朱華を使って30種類くらいのカクテルを試作しましたがどれもそれぞれの魅力を持った美味しいカクテルになりました。
今回挙げたのはその中でも作りやすく、特に美味しかったものです。まだまだアイデアは尽きそうにないのでこれからも朱華の魅力を活かしたカクテル作りに挑戦していきたいと思います。