酒を楽しむ鳳凰美田の定番、純米吟醸を飲み比べ!

今回は栃木県の小林酒造の代表銘柄、鳳凰美田の生酒と火入れ酒をご紹介します。

美しい土地、美しい水から産まれる美しい酒

鳳凰美田飲み比べ

美しい田園風景が広がる美田(みた)村で、1872年(明治5年)創業した小林酒造。
今や全国的な知名度と高品質を誇る鳳凰美田を生み出した小林酒造ですが、創業から長い歴史の中で、一時は蔵の存続が危ぶまれた時期もあったそうです。

廃業寸前の蔵を立て直したのは5代目の専務取締役小林正樹さん。彼は地元の米作農家と粘り強い交渉を繰り返し、酒米の契約販売を開始し、地元農家との密接な関係を築いてきました。信頼できる地域の、信頼出来る農家の、生産者を全て特定した原料米を使用する事に拘り、地元に根差した酒造りをする。また、吟醸造りを極めるための思い切った設備投資を行うといった経営の見直しなど、長い年月をかけた地道な努力によって自社ブランドを磨き上げて来ました。

吟醸タイプのお酒は醸造工程において、機械化できない部分が多いそうです。小林酒造では酒造りのスタート部分である【洗米】【浸漬】を、10年以上の経験を持つベテランが基本一人で手作業で行っています。酒造りで最も重要とされる【麹造り】を行うのは室温40度近い麹室。ここでも手作業で麹造りを行っています。

20年以上もの間、細かく温度、気温、湿度、それに米や菌と向き合い続けてきた経験によって良い麹が出来、我々の待っている鳳凰美田の安定のクオリティへと繋がるのでしょうね。

●鳳凰美田 純米吟醸 無濾過生酒
●鳳凰美田 純米吟醸 瓶燗火入れ

どちらも
酒米は富山県南砺(なんと)市の五百万石
精米歩合は55%(お米の周りを45%削っています)
アルコール度数は16度

それでは飲み比べて参りましょう︕

外観

鳳凰美田飲み比べ

無濾過という事で、濁ったような雰囲気なのかと想像していましたが、どちらも若干黄色みを帯びた透明。外観だけでは私には見分けがつきません。

香り

生酒にはメロンのような甘やかな吟醸香が上品に漂い期待が膨らみます。

瓶燗火入れ酒は、瓶詰めした日本酒を60~65度で湯煎するのですが、温度が上がって来た時に日本酒が膨張して蓋が飛んでしまわない様に、一つ一つ仮栓をしてから温めるという手間暇かかる手法で火入れを行っています。

この手法によって火入れ後にお酒が外気に触れなくて済むため、香りの成分の散逸が最小限に抑えられ、お酒の質も保たれます。熟れすぎていないメロンやマスカットのような爽やかなフルーツの香りが鼻腔いっぱいに広がります。

味わい

鳳凰美田飲み比べ

生酒を口に含むと まず米の旨味と甘味を感じて その後すぐに酸味がやってきて、ボリュームがあるのに引き締まっているというなんとも心地よい味わいに、私は驚きと感動を覚えました。

開栓4日目には少し甘みも出て来ましたが、決して甘ったるくなく、益々ふくよかな印象になりました。

火入れ酒も まろやかな口当たりで旨味と程良い酸のバランスが素晴らしく、口の中で回していると、温度の変化から甘味が増して感じられます。最後に少しの苦みを感じられ、余韻も長く楽しめます︕

私が合わせてみたい料理

鳳凰美田飲み比べ

しっかりボディーと軽快さを併せ持つ絶妙のバランスのこの生酒は、ある意味オールラウンドなイメージですが、しいて言うならば脂の乗ったお魚の塩焼きに柑橘を絞ったものと一緒に。
ほうれん草のお浸しにジャコを乗せたものとも合わせてみましたが、バッチリでした。

爽やかな香りとしっかりとした旨味の瓶燗火入れ酒には、柚子の皮をあしらった蓮根饅頭のような、コクのある上品な餡掛け料理などいかがでしょうか︖
ご家庭で簡単に作れる海老の卵とじなんかでもピッタリですよ♪

鳳凰美田飲み比べ

【地元に根差した愛される酒、愛される酒蔵を目指す】という考えのもとに造られた鳳凰美田は栃木県を代表する銘柄であり、現代の日本酒をリードする美酒でもあります。
鳳凰美田ファンは勿論のこと、まだ呑んだことのない方にも是非お試しいただきたいハイレベルな一本。

このクオリティでこの価格︕
贈り物にもお勧めです。